宇多田ヒカルが語る「活動休止」と「人間活動」の理由

1998年の衝撃のデビュー以来、日本を代表する歌姫、あるいはアーティストとして活躍を続けてきた、宇多田(うただ)ヒカルさん。

デビューシングルは、若干15歳にして作詞作曲を手掛けたことで話題となった「Automatic/time will tell」。

その直後に発表したアルバム「First Love」は、発売から一か月で売上400万枚という、「ミリオンセラーヒット」という言葉でも追いつかない、とてつもないセールスを記録しました。
2016年時点では、First Loveの単体の売上でテン・ミリオン──すなわち、1000万枚近くもの売上に達しています。

その後も、宇多田ヒカルさんが発表する楽曲は常に大ヒット。
彼女の音楽センスはまさに「天才」という言葉にふさわしいものでした。

日本音楽界の一時代を築き上げた小室哲哉さんは、宇多田ヒカルさんのデビュー曲「Automatic」に言及し「ヒカルちゃんが僕を終わらせた」とのコメントを残しています。

そんな、日本の音楽シーンが宇多田ヒカルさん中心に廻っていると言っても過言ではない状況の中、彼女は2010年8月に自身のブログにて、「音楽活動を休止」して「人間活動に専念」することを発表しました。

そのときの心境を、彼女はこう語っています。

15歳でデビューして、何も分からない状態のまま(音楽活動を)やり始めて、目の前の分岐点に関しては私が「ああしたい」「こうしたい」って言ったことをやってきてたんだけど、それが一体全体どこに向かっているのか、山に向かっているのか崖に向かっているのか分からないまんま、ここまで来ちゃってたんだよね。

http://ent2.excite.co.jp/…

自身の才能があまりに早く開花した──いわゆる、早熟の天才であったがゆえの苦悩。
周囲のサポートもあり、才能を思う存分に発揮する舞台は整えられました。
しかし、過熱する周囲の評価、自身が得る名声の大きさに比例して、自分自身を振り返る時間は失われていったのです。

そうして訪れた、自身の方向性の喪失。

それを自覚した彼女は、音楽活動を無期限休止とし、海外を拠点とした「人間活動」に集中することを宣言します。

そして2016年・・・。
新曲となる「花束を君に」、「真夏の通り雨」を発表。
前者はNHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主題歌として、後者は日本テレビの報道番組「NEWS ZERO」のエンディングテーマに採用されました。

この発表に伴って、宇多田ヒカルさんは音楽活動の再開を宣言。
活動休止宣言から、約6年の歳月を経た再始動となりました。

この6年の間に、宇多田ヒカルさんは様々な出来事を経験しています。
母親である藤圭子さんの転落死(遺言が残されていることから、自殺とされています)。
イタリア人男性との再婚、妊娠と出産。

悲劇や喜びを経験し、人間としてひとまわり大きくなった宇多田ヒカルさん。
こうした経験を経た今後の彼女のアーティスト活動は、より一層の深みを増すものとなるでしょう。