イチローが語る屈辱「今までで一番結果を出したかった打席」とは

日本プロ野球において、7年連続首位打者。
日米通算4000本安打。
メジャーリーグ通算3000本安打。

日本の野球史上で、最も輝かしい実績を残している選手の1人である、イチロー選手。

MLB(メジャーリーグ・ベースボール)殿堂入りは確実と言われ、野球界だけでなく、様々な分野のアスリートから最大級の賛辞とリスペクトを贈られる、まさに日本を代表するスポーツヒーローです。

数々の前人未到の記録を打ち立ててきたイチロー選手ですが、その道筋は決して楽なものではなく、苦悩や煩悶、そして悔しさや屈辱の連続であったと言います。

のちに本人が「一生忘れない」とまで話した出来事は、日米通算4000本安打を打った10日後に訪れました。

その日の試合は、所属するヤンキースが相手チームに大差で勝ち越していました。
すでに勝負は決まっており、ヤンキースの主力はベンチに下げられ、温存されている状況。

そんな中、イチロー選手は代打でバッターボックスに立たされることになったのです。
このときのことを、イチロー選手は次のように語ります。

僕の中で一生忘れない。忘れてはいけないこと。悔しかったんですよね。ライトフライで終わったんですけど。違う意味で今までで一番結果を出したかった打席だったんですよね。

http://news.livedoor.com/…

10日前には、日米通算4000本安打という偉業を成し遂げた自分。

しかしそんな自分が、主力とは見なされず、1本もヒットを打ったことがないようなルーキーと肩を並べてバッターボックスへ向かわなければならない──。
この状況を、イチロー選手は「屈辱」と表現しました。

しかし特筆すべきは、イチロー選手はこの屈辱的なシーンを、自ら進んで引き受けた、という点です。

代打に出されたというのも、実は聞かれているんです。(代打で出るか)選択権を与えられている。ノーということもできたし、恐らくノーと言うだろうと思って(監督が)聞いているのも分かった。

http://news.livedoor.com/…

ここで、イチロー選手は迷うことなく「出る」と答えました。

勝ちの決まっている試合です。
イチロー選手の立場であれば、「出ない」と答えることも当然、許されたでしょう。
しかしイチロー選手は、あえて代打としてバッターボックスに立ち、その結果、ライトフライに倒れています。

このときの悔しさ、屈辱は、生涯忘れることができない──。
イチロー選手はそう言いながらも、あのとき代打に出たことを後悔してはいないようです。

人間は、成功体験を積み上げることのみで成長できるほど、単純な生き物ではありません。
天から与えられた才能だけで成功できるほど、世の中は甘くありません。

悔しさを知り、屈辱にまみれ、それでもなお不屈の闘志で立ち上がることのできる者だけが、偉業を成し遂げ得るのでしょう。

数々の名声を得てもなお、屈辱にまみれることを恐れずチャレンジする姿勢こそが、イチロー選手の真の偉大さではないでしょうか。

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